ParsecDeepSkyマニュアル

1.はじめに

 ParsecDeepSkyは柔軟に複数の赤道儀やカメラを同時制御することができます。赤道儀1台に天体望遠鏡や天体望遠鏡付属デバイス各々2台、天体望遠鏡に取り付けたカメラやフィルターホイール各々2台を同時制御できます。さらに赤道儀1台に天体望遠鏡や天体望遠鏡付属デバイス各々1台、カメラやフィルターホイール各々1台という構成を追加で制御できます。赤道儀ごとに撮影システムのデバイスを構成し、アプリに方では赤道儀ごとにWindowが紐付き撮影システム写真制御します。

 例えば、写真のような2つの撮影システムをMac1台、ParsecDeepSkyで制御できます。それぞれのシステムにアプリのWindow1面が対応しています。また、それぞれのシステムの設定値等はファイル>保存(Save)メニューでファイルに保存できるので、使い以降はこのファイルを開くことで、INDIサーバー等の設定を行わずにINDIサーバーへ接続できます。

2.天体望遠鏡の登録

 アプリを初めて起動させると、天体望遠鏡を登録するようメッセージが表示されるので、あなたが持っている天体望遠鏡とフラットナーやレデューサーなどの補正レンズを登録してください。天体望遠鏡はアプリ全体で使えますので使用する天体望遠鏡をすべて登録してください。天体望遠鏡の登録は、後からでも「アプリメニュー」の「設定」からも行えます。

天体望遠鏡登録画面

 天体望遠鏡データの入力は、天体望遠鏡の詳細エリアで行います。詳細エリアにデータが表示されている場合は、まず右下の四角で囲まれた×ボタンをクリックしてデータをクリアしてください。

 天体望遠鏡データを入力したら、データを保存するために四角で囲まれた+ボタンをクリックしてください。データが保存されると天体望遠鏡一覧に追加した天体望遠鏡が表示されます。

 天体望遠鏡データを修正する場合は、修正したい天体望遠鏡を一覧から選択してください。選択すると詳細エリアに選択した天体望遠鏡のデータが表示されます。データを修正したら、修正内容を保存するため鉛筆マークのボタンをクリックしてください。

登録している天体望遠鏡を削除するときは、削除したい天体望遠鏡を一覧から選択してください。選択すると詳細エリアに選択した天体望遠鏡のデータが表示されます。四角で囲まれたーボタンをクリックすると天体望遠鏡が削除され、一覧からも削除されます。

 

 

 

3.INDIサーバー等の設定

 ParsecDeepSkyを立ち上げてWelcomeウインドウから新規観測所作成又は存在する観測所を開くと、初期ウインドウが表示されます。新規観測所作成し初期ウインドウたときは、最初にINDIサーバー等の設定を行わなければなりません。初期ウインドウの右上にあるギア形状のボタンをクINDIサーバー設定画面リックしてください。

INDIサーバー設定ウインドウが表示されたら、INDIサーバーがインストールされているPC又はRaspberry PIのホスト名又はIPアドレスを入力してください。INDIサーバーポートは、標準のままで問題ありませんが、ポート番号を変えている場合は正しい番号に修正してください。

続いて、INDI Web Managerを使用する場合はチェックを入れてください。ポート番号は、INDIサーバーと同様に標準のままで問題ありませんが、ポート番号を変えている場合は正しい番号に修正してください。INDI Web Managerを使う場合は、INDI Web Managerポートの右側にあるボタンをクリックして、INDI Web Managerからプロファイルやドライバ一覧等のデータを取得します。INDIプロファイル設定画面

 データの取得が完了したら、プロファイル名を選択できるようになります。登録されているプロファイル名を使う場合は、選択した後ウインドウを閉じてください。

 プロファイルを修正する場合は、プロファイル名の中から修正するプロファイルを選択してください。新規プロファイルを作成する場合は、プロファイル名一覧が空欄になっていることを確認してください。

 続いて、INDIプロファイルをクリックすると、右の画像のウインドウに切り替わります。新規プロファイルの場合は、プロファイル名を入力し、必要があれば自動スタートや自動接続にチェックを入れてください。

 次に、使用するドライバを選択します。左側のドライバ一覧から使用するドライバを選択して、中央の+ボタンをクリックしてください。すると、使用ドライバ一覧に選択したドライバが追加されます。使用するドライバすべてを使用ドライバ一覧に表示されるようにしてください。INDIプロファイルの設定が終わったら、右下の保存ボタンをクリックして設定内容をINDI Web Managerへ反映させてください。

 以上で、INDI周りの設定が終わったので、左上の閉じるボタンでINDIサーバー設定ウインドウを閉じてください。 

4.デバイスの構成

 INDIサーバー設定が完了したら、初期ウインドウの右上にある☆ボタンをクリックして、INDIサーバーへ接続します。デバイス構成をしていない場合は、デバイス構成を促すメッセージが表示され、デバイス構成ウインドウが表示されます。デバイス構成ウインドウは左側に天体望遠鏡一覧とデバイス構成画面INDIデバイス一覧が表示され、一覧から使用する天体望遠鏡やINDIデバイスを右側へドラッグアンドドロップしてください。

 なお、ダストキャップやフォーカサー等天体望遠鏡に関係するデバイスを登録するときは、天体望遠鏡にデバイスをドラッグアンドドロップしてください。

 フィルターホイールやアダプティブオプティクスを登録するときは、カメラにデバイスをドラッグアンドドロップしてください。

 もし、デバイスの登録を間違えた場合は、間違えたデバイスを右上のゴミ箱にドラッグアンドドロップすると間違えたデバイスを削除することができます。

 デバイス構成が完了したら、右下の了解ボタンをクリックしてください。

5.架台の制御

 デバイス構成が終わるとデバイスの接続が行われ、準備完了になるとダッシュボードやマウント制御ウインドウ、カメラ制御ウインドウ赤道儀制御画面が表示されます。その際、緯度、経度、高度の設定がされていない場合は、設定するよう緯度、経度、高度を入力するウインドウが表示されます。ここで観測地の緯度、経度、高度を入力しないと、赤道儀が想定外の動きをして事故の元となるので気をつけてください。

 

 撮影したい天体の導入は、架台タブを選択して架台の制御ウインドウを表示させます。コントロールパッドでは手動で赤道儀を動かすことができます。導入したい天体の選択は、対象導入エリアの虫眼鏡マークボタンをクリックして、各種天体の一覧から選択するか、右側の星図から右クリックで天体を選択してください。その後、導入ボタンをクリックすると対象延滞めがけて赤道儀が動作を始めます。

プレートソルビング画面

 導入を中断したい場合は、中断ボタンをクリックしてください。一方、対象天体を視野中心に導入したい場合は、Plate Solvingボタンをクリックして、PlateSolverウインドウが表示されます。

 PlateSolverウインドウでは、探索半径や精度を確認してください。探索半径が大きいと時間がかかり、小さすぎると結果が得られません。

6.撮影の開始

 カメラ制御画面では、冷却の設定、撮影の設定、撮影データを保存するフォルダ等の設定ができます。なお、撮影設定エリアにある+ボタンをクリックすると、撮カメラ制御画面影順序エリアにシーケンスが登録されます。+ボタンの右隣は、ループ撮影を行うボタンで、ループ撮影を留めるときは、ループ撮影ボタンのアイコンが■になっているので、同じボタンをクリックするとループ撮影が止まります。ループ撮影ボタンの右隣は、1回撮影ボタンです。ループ撮影ボタンを同様に、撮影中同じボタンをクリックすると撮影が中止されます。

 右側の撮影順序は、右側の▶ボタンをクリックすると登録されているシーケンスの撮影を開始します。中止するときは、■ボタンをクリックしてください。シーケンスデータを削除するときは、削除する行をクリックした後、撮影順序タイトルの下にあるーボタンをクリックすると削除することができます。

 シーケンス一覧の下は、撮影画像の表示エリアと、ヒストグラム表示エリアとなっています。

 カメラステータスや撮影設定のあるエリアの一番下にフォーカスボタンがあります。このボタンをクリックするとフォーカシングウインドウが表示され、ここでピント合わせが行えます。